SESで単価が上がっても給料が上がらない理由と対処法を解説

「案件の単価は上がったはずなのに、給料はほとんど変わらない」と感じていませんか。
クライアントが自分に高い金額を払っていると知るほど、手取りとのギャップにモヤモヤしますよね。
結論からいえば、その不満はあなたの評価が低いからではなく、SESという事業構造から生まれるものです。
この記事では、単価と給料が連動しない仕組みを解きほぐし、年収を上げるために現実的にできることを解説します。

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単価が上がっても給料が上がらないのはあなたのせいではない
まず伝えたいのは、この不満を感じるのは正当な感覚だということです。
単価という自分の値段が見えているのに給料が動かないのですから、割に合わないと思うのは当然でしょう。
その背景を3つの視点から整理していきます。
単価と給与テーブルは連動していない
多くのSES企業では、案件の単価と社員の給与テーブルが別々に決められています。
そのため単価が5万円上がっても、給料に反映されるのはごく一部か、まったく変わらないこともあるでしょう。
単価アップの大部分は会社の利益として吸収され、あなたの手取りには届きにくい仕組みになっています。
単価と給料が別物である以上、単価を上げる努力だけでは手取りは増えにくいのが実情です。
この分離は、就業規則や給与規程を読み込んでも気づきにくいことが多いでしょう。
「単価が上がれば自分も潤う」という素朴な期待が、最初のすれ違いを生んでしまうのかもしれません。
還元率は会社次第で不透明なことが多い
単価のうち給与の原資になる割合を還元率と呼びます。
この還元率をきちんと公開している会社もありますが、そもそも自分の単価すら知らされないケースも珍しくありません。
還元率が低く設定されていれば、単価が上がっても給与に回る金額は限られてしまいます。
自分の単価が今いくらなのかを把握していない場合は、一度営業担当に確認してみると構造が肌でわかるはずです。
単価が高いのに手取りが低いとわかった瞬間、多くの人が転職を意識し始めるものです。
逆に還元率が高ければ、単価アップがそのまま生活の余裕につながっていきます。
頑張れば上がるが通用しない構造
現場で高く評価されれば給料も上がる、という期待は自然なものです。
しかし評価してくれるのは常駐先であって、給料を決めるのは自社の給与テーブルという分離が起きています。
どれだけ現場で信頼を得ても、その評価が自社の昇給に直結しないケースは少なくないでしょう。
努力の量ではなく、評価と給与のつながり方そのものが断たれているのが問題の核心といえます。
単価と給料が連動しない3つの仕組み
ここからは、なぜ連動しないのかをもう一段深く見ていきます。
仕組みを理解すると、個人の頑張りでは動かせない範囲がはっきりしてくるはずです。
主な要因は次の3つに整理できます。
単価アップが会社の利益として吸収される
1つ目は、単価が上がったぶんが会社の取り分に回りやすいことです。
SES企業は待機期間のリスクや営業コストを抱えているため、単価アップをそのまま給与に反映しない設計になっている場合があります。
会社が利益を確保すること自体は経営として不自然ではありません。
ただエンジニアから見れば、成果が手取りに結びつかない感覚だけが残ってしまうものです。
この配分の割合こそが、同じ単価でも会社によって手取りが大きく変わる理由でしょう。
だからこそ、単価の高さより「どれだけ自分に還元されるか」に目を向ける必要があります。
多重下請けで単価自体も中抜きされる
2つ目は、そもそもの単価が多重下請けで削られていることです。
発注元から元請け、二次請け、三次請けへと案件が流れる過程で、各社がマージンを取っていきます。
下流にいるほどエンジニア本人に届く単価は小さくなり、そこからさらに会社の取り分が引かれるでしょう。
これは違法でも例外でもなく、業界に定着した商流の構造そのものにほかなりません。
下請けの階層が深いほど、エンジニアに届く前に引かれる金額は大きくなっていきます。
自分がどの階層で働いているのかを知ることも、収入の頭打ちを理解する手がかりになるでしょう。
評価制度が給与に反映されない
3つ目は、評価制度が実質的に機能していないことです。
常駐している以上、自社の上司はあなたの働きぶりを直接見る機会が少なくなります。
評価面談が年1回以下だったり、現場の成果が昇給の基準に組み込まれていなかったりすると、給料は据え置かれがちです。
評価と報酬のつながりが弱い会社では、成果を出しても手取りが変わらない状態が続いてしまうでしょう。
努力が報われない環境に長くいると、成長への意欲そのものがすり減っていくものです。
これは個人の問題ではなく、評価が給与に届かない仕組みが引き起こす当然の結果だといえます。
評価が正しく給与へ反映される環境に移るだけで、同じ働きぶりでも手取りは変わってくるでしょう。
頑張りが数字で返ってくる環境は、モチベーションの維持という面でも大きな意味を持ちます。
給料を上げるために現職で試せることと限界
構造の問題とはいえ、いきなり転職に動く前に現職でできることもあります。
ここで動いておくと、仮に転職する場合でも納得して次に進めるようになるはずです。
現職で試せることは次の3つです。
自分の単価と還元率を確認する
最初の一歩は、自分の現在の単価を正確に知ることです。
営業担当に「今の現場の単価はいくらですか」と聞くだけでも、給料とのギャップが数字で見えてきます。
単価に対して手取りが著しく低いなら、還元率が低い会社にいる可能性が高いといえるでしょう。
この数字は、転職を検討するときの比較基準としても役に立ちます。
現在の単価がわかっていれば、転職先の提示額が上乗せになっているかを一目で判断できるでしょう。
数字を握っておくことは、感情ではなく事実にもとづいて意思決定するための土台になります。
上流経験や資格で交渉の根拠を作る
給与交渉を有利にするには、会社が単価を上げやすくなる材料を用意するのが近道です。
設計や要件定義といった上流工程の経験は、単価の根拠として強く働きます。
クラウド系資格や応用情報技術者なども、スキルシート上で評価を後押ししてくれるでしょう。
ただし単価が上がっても、それが給与に反映されるかどうかは会社の制度次第という壁が残ります。
つまり交渉材料をそろえる努力は、還元率の高い会社でこそ最大限に活きるものです。
同じ資格や経験でも、評価してくれる環境かどうかで年収への効き方は大きく変わってきます。
昇給と評価の基準を人事に確認する
昇給の条件が曖昧なままなら、人事や上司に基準をはっきり確認しておきましょう。
「何を達成すれば、いくら上がるのか」を言語化してもらうだけでも、今後の見通しが立てやすくなります。
ここで納得できる答えが返ってこない場合は、その会社での年収アップは期待しにくいかもしれません。
3つを試しても、単価非連動と低い還元率という構造そのものは個人では変えられないのが現職での限界です。
現職での交渉に限界を感じたら、還元率の高い環境や事業会社に移るのが構造への最短の答えです。実務経験2年以上なら、プロに相談できるラインに立っています。
年収の相場を無料で確かめる年収を上げる最短ルートは環境を変えること
単価と給料が連動しない構造から抜け出すには、環境そのものを変えるのがいちばん早い方法です。
実務経験2年以上あれば、応募できる求人の幅は想像以上に広がっています。
3つの視点で、転職による年収アップの現実を確認しましょう。
実務経験2年は経験者向けサービスの対象ライン
転職市場では「実務経験◯年以上」が応募条件の目安として使われており、2年はその最初の関門にあたります。
たとえばITエンジニア特化のテックゴーは、実務経験2年以上のエンジニアを対象にしたエージェントです。
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交渉に強いエージェントを使うだけで、同じ経歴でも引き出せる年収が変わることは珍しくありません。
年収を上げる転職では、誰と組んで進めるかが結果を左右する大きな要素になるものです。
もし実務経験がまだ2年に満たない場合は、若手支援に強いUZUZ(ウズキャリ)の評判記事も参考にしてみてください。
年収を上げやすい転職先は主に3方向
SESからの転職先は、大きく3つの方向に分かれます。
| 転職先 | 年収面の特徴 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 高還元のSES企業 | 単価が給与に反映されやすく手取りが増えやすい | 働き方を変えず収入だけ上げたい人 |
| 自社開発企業 | 評価が給与に直結しスキル次第で伸びる | 開発力を深めて年収を上げたい人 |
| SIer上流・事業会社 | 上流工程や大手の給与水準で底上げされる | 安定した基盤で年収を上げたい人 |
どの方向でも、SESで複数現場を経験したことは適応力の証明として評価されます。
大切なのは「今より高い還元率か、評価が給与に直結する環境か」を軸に選ぶことでしょう。
同じ「年収を上げたい」でも、開発力を伸ばしたいのか安定を取りたいのかで最適な方向は変わります。
自分がどの働き方で年収を上げたいのかを言語化しておくと、求人選びの軸がぶれにくくなるはずです。
3つの方向はどれが正解というものではなく、あなたの価値観しだいで最適解が変わります。
迷う場合は、複数の方向の求人を見比べながら方向性を固めていくのも一つの手でしょう。
いま動くべきかのチェックリスト
いま転職を検討すべきかどうかを、次のリストで判定してみてください。
- 単価が上がったのに給料がほぼ変わらなかった
- 自分の単価や還元率を教えてもらえない
- 昇給の基準が曖昧で見通しが立たない
- 評価面談が年1回以下、または形だけになっている
- 直近1年で手取りがほとんど増えていない
3つ以上当てはまるなら、環境を変える検討を始めるサインです。
逆に1つ以下なら、現職での交渉を試す余地がまだ残っているといえるでしょう。
- チェックリストに3つ以上当てはまった
- ITエンジニア・ITコンサルの実務経験が2年以上ある
- 首都圏で働ける(上京・リモート志向も含む)
すべて当てはまるなら、まず市場価値の確認から始める価値があります。
転職先を見極める3つのチェックポイント
年収を上げる転職で怖いのは、同じような単価非連動の会社へ入り直してしまうことです。
それを避けるには、面接や面談の場で具体的な数字を質問するのが有効でしょう。
入社前に確認したいポイントは次の3つです。
単価と給与の連動ルールを確認する
最も重要なのは、単価と給与がどうつながっているかを確かめることです。
「単価が上がった場合、給与にどのように反映されますか」と聞けば、その会社の設計が見えてきます。
還元率や昇給の目安を具体的に答えてくれる会社は、透明性が高いと判断してよいでしょう。
逆に回答を濁す会社は、入社後も同じように情報を明かさない可能性が高いといえます。
質問への答え方そのものが、その会社の透明性を測るリトマス試験紙になるでしょう。
客先常駐と自社勤務の比率を聞く
2つ目は、社員がどれくらい自社で働いているかの比率です。
「自社開発あり」とうたっていても、実態はほとんど客先常駐というケースは後を絶ちません。
常駐比率が高い環境では、評価が給与に反映されにくい構造が続いてしまうこともあるでしょう。
求人票の言葉ではなく、実際の勤務比率を数字で確認するのが失敗を防ぐコツです。
自社勤務の比率が高い会社ほど、上司があなたの成果を直接見て評価しやすくなります。
評価が給与に反映されやすい環境は、長期的に見て年収の伸びしろにもつながっていくでしょう。
評価制度と昇給の実績を確認する
3つ目は、評価がどのように昇給へつながっているかです。
「モデル年収」や「入社3年での昇給実績」を聞くと、その会社で年収が伸びるイメージがつかめます。
制度が整っていても運用されていない会社もあるため、実際の昇給例まで踏み込んで質問しておきましょう。
こうした聞きにくい質問こそ、エージェント経由なら面談前に代わりに確認してもらえるという利点があります。
自分で直接聞きにくいことも、第三者を介すれば角が立たずに確認できるでしょう。
入社前にここまで確かめておけば、同じ悩みを繰り返すリスクは大きく減らせます。
損しない年収アップ転職の進め方
年収を上げる転職では、進め方の順番が結果を左右します。
感情に任せて先に退職してしまうのが、最も後悔しやすいパターンです。
失敗しない手順は次のとおりです。
- 在職中に転職活動を始める(収入を切らさない)
- 現在の単価と手取りを把握して交渉の基準にする
- エージェントに登録して市場価値と想定年収を確認する
- 希望年収は理想と最低ラインの2段階で伝える
- 内定と条件交渉を経てから退職を切り出す
とくに希望年収を幅で伝えると、交渉を代行するアドバイザーが戦略を立てやすくなります。
テックゴーはアドバイザーの約8割が元エンジニア・元ITコンサルのため、単価や現場の事情を前提説明なしで理解してもらえるでしょう。
SESで複数の現場を経験してきた経歴も、整理のしかたしだいで強力なアピール材料に変わります。
その言語化を一緒に進めてくれる伴走者がいると、初めての転職でも準備不足のまま本番を迎えずに済むはずです。
SES2年目そのものの悩みを整理したい方は、SES辞めたい2年目の記事もあわせて参考になります。
単価と手取りの差が大きいと感じたら、それは動きどきのサインです。テックゴーで想定年収を無料で聞いてみる →
年収を上げる転職で避けたい3つの失敗
年収アップを狙う転職には、陥りやすい落とし穴もあります。
先に知っておけば、どれも避けられるものばかりでしょう。
代表的な失敗は次の3つです。
提示年収の高さだけで決めてしまう
1つ目は、提示された年収の数字だけを見て転職先を決めてしまう失敗です。
高い年収の裏に長時間労働や高い離職率が隠れているケースは、業界を問わず存在します。
金額と引き換えに何を差し出すのかを確認しないと、入社後に後悔することもあるでしょう。
年収は重要な軸ですが、働き方や成長環境と合わせて総合的に判断したいところです。
目先の金額だけでなく、数年後にどれだけ伸びる環境かという視点も持っておきたいものです。
在職中に動かず先に辞めてしまう
2つ目は、勢いで先に退職してから転職活動を始めてしまう失敗です。
無収入の期間が延びるほど焦りが生まれ、条件を妥協した内定に飛びつきやすくなります。
年収を上げたい転職なのに、焦りのせいで逆に下げてしまっては本末転倒でしょう。
在職中に内定と条件交渉まで済ませることが、年収アップを実現する土台になります。
単価の比較だけで会社を選んでしまう
3つ目は、単価の数字だけを比べて転職先を選んでしまう失敗です。
単価が高くても還元率が低ければ、手取りは今と変わらない可能性があります。
見るべきは単価そのものではなく、そのうちどれだけが自分の給与に回るかという点でしょう。
還元率や評価制度まで含めて比較して初めて、本当に年収が上がる会社かどうかが見えてきます。
目に見える単価という数字ほど、比較の軸にしたくなる気持ちはよくわかります。
だからこそ、その先の「手取りにいくら残るか」まで意識できる人が、年収アップを実現しやすいでしょう。
SESの単価と給料に関するよくある質問
最後に、単価と給料の悩みで多く寄せられる質問に回答します。
自分の単価は会社に聞いても教えてもらえますか?
会社の方針によりますが、営業担当に率直に聞けば教えてもらえるケースは多いものです。
もし明確な理由なく開示を拒まれる場合は、情報の透明性が低い会社である可能性を考えたほうがよいでしょう。
単価を把握しておくと、転職先の提示条件が妥当かどうかを比較する基準にもなります。
単価を教えてもらえるかどうかは、その会社の誠実さを測る一つの目安になります。
高還元をうたうSESに転職すれば給料は上がりますか?
高還元をうたう会社でも、実際の還元率や評価制度は入社前にしっかり確認する必要があります。
還元率が高くても、待機時の保証や福利厚生が薄いと総合的な手取りが変わらないこともあるでしょう。
「高還元」という言葉の定義や計算方法は会社ごとに異なるため、鵜呑みにしないことが大切です。
数字の言葉だけで判断せず、面談で仕組みを具体的に質問するのが安全です。
経験2年でも年収アップの転職はできますか?
実務経験2年があれば、年収アップを狙える求人は十分に存在します。
鍵になるのは経験の見せ方で、担当した工程や使用技術を具体的に言語化できれば評価は変わってきます。
単価という客観的な数字は、あなたの市場価値を裏づける材料としても使えるでしょう。
経験2年は決して不利な条件ではなく、むしろ動きやすい時期だと捉えてよいものです。
ひとりで判断せず、エージェントに職務経歴書を見てもらってから可能性を判断しても遅くありません。
実務経験2年以上のITエンジニアなら
その単価、別の会社ならいくら手取りになりますか?
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まとめ
単価が上がっても給料が上がらないのは、単価と給与テーブルが連動しないSESの構造から生まれる問題でした。
還元率の不透明さや多重下請け、機能しない評価制度は、個人の努力では変えにくいものです。
一方で実務経験2年は、年収を上げる転職の対象ラインに立てる立派なキャリアだといえます。
チェックリストに3つ以上当てはまったなら、まず市場価値の確認から始めてみてください。

